むし歯治療
むし歯の症状に応じた治療方法についてご説明いたします。
歯の構造
歯の構造はエナメル質・象牙質・セメント質・歯髄(神経・血管などが入っている部位)からなります。
虫歯の進行の度合いによって治療方法が異なります。
MI ( Minimal Intervention )
2000 年、 FDI ( Federation Dentaire Internationale )が提唱した新しい予防的な治療の概念( Minimal Intervention )で、「最小の侵襲」と和訳されています。
最小の侵襲により、最大の効果を得ることを目的とし、患者さまにとって「やさしい」治療をしようという考えです。虫歯治療で詰め物をする場合、虫歯以外の所も、多く削ってしまい、再度その箇所が虫歯になると、さらに歯を削って治療することになり、虫歯以外の箇所にも非常に大きなダメージを与えてしまったり、神経を取ってしまうようなことがあります。MIは、今ある歯をなるべく削らずに保存し治療をすることを目的としています。
むし歯の程度と治療法
C1 の治療
歯に小さいくぼみが出来ていますが、歯の象牙質や神経までは進行していませんので痛みは特に無い状態です。
治療法
むし歯に犯された部分を削り取り、その部分を金属や樹脂で塞ぎます。
対処法
- 正しいブラッシング指導を受け、毎日ケアする
- キシリトール配合の歯磨き粉やリンス剤(うがい薬)を使用し予防する
- フッ素コーティング等の予防治療を受ける
- 定期検診を受け、むし歯の進行状況を確認する
C2 の治療
虫歯が象牙質にまでおよんでいる状態。冷たいものがしみたり、痛みが出たりします。
詰めもの、冠などで治療。症状によっては神経を取る必要があることも。
治療法
むし歯に犯された部分を削り取り、削った部分を詰め物がしやすいように形を整えます。後日詰め物を入れる場合は、いったん仮の詰め物を入れて、後日詰め物が完成したら来院し歯と詰め物を接着剤で固定します。
詰め物について〈症状によっては被せ物)
保険治療の場合
金属や樹脂で埋める方法が一般的
自費治療の場合
より精度の高い技工物(歯との隙間が出来にくいもの)や、歯と同色の白いセラミック(陶器)等を使用して埋める方法がある
C3 の治療:虫歯が神経までおよんでいる場合。
むし歯が歯の神経(歯髄)まで進行しています。歯の痛みをかなり感じる状態です。以前に治療を受け神経を抜いてしまった人や、むし歯が進行して神経が死んでしまった状態です。多くの場合神経を取って根の治療を行います。
治療法
むし歯に犯された部分を完全に削り取り、歯髄を消毒します。削った部分を被せ物がしやすいように形を整えたり土台を入れます。後日被せ物が完成したら来院し歯と被せ物を接着剤で固定します。
詰め物について〈症状によっては被せ物)
・保険治療の場合
金属や樹脂で埋める方法が一般的
・自費治療の場合
より精度の高い技工物(歯との隙間が出来にくいもの)や、歯と同色の白いセラミック(陶器)等を使用して埋める方法があるっている場合は痛みを感じませんが、他の健康な歯へむし歯が感染する可能性がある危険な状態です。
C4 の治療法
むし歯が完全に進行してしまい歯の根しか残っていません。あごの骨までむし歯が進行しているとひどく痛んだり腫れたりします。
治療法
むし歯が完全に進行してしまい抜歯を行ないます。
抜歯後の治療方法
- ブリッジ(周囲に歯がある場合)
- 入れ歯
- インプラント(人工歯根)
根の治療(根管治療)
歯髄(神経・血管)を取ってしまった歯は栄養が供給されず、免疫機構も働きません。いわば”枯れ木”と同じでもろくなってしまうのです。
痛みも感じないため虫歯の進行も気付きにくいものです。
そのため根の治療をしっかりすることだけではなく、その後の”補綴処置(被せもの)”も重要なものとなります。
▼虫歯によって感染を起こした部分(黒い部分)を除去していきます。
▼根の先まで器具を用いて感染部分を機械的除去、薬液を用いて洗浄・消毒。状態が良くなるまで行います。
▼根の中に問題がなければ薬剤で緊密に封鎖します。
このあと、歯を土台で補強、補綴処置(被せもの)で咬める状態にしていきます。
歯の部位・状態などにより、土台の材料(樹脂・金属・ファイバー素材など)・補綴物の種類(金属、メタルボンド・オールセラミックなど)を考えていく必要があります。