矯正歯科
矯正治療に対する不安を解消していただけるようご説明いたします。
矯正治療とは
矯正治療とは歯を動かすことによって、きれいな歯並びと機能的な咬み合わせをつくる歯科治療です。歯並びの治療というと、とかく見た目 ( 審美性 ) ばかりが強調されがちですが、矯正治療の目的は見た目の改善だけではなく、よく咬めるようになるという機能面の回復と、虫歯・歯周病の防止という衛生面の改善を持ち合わせています。
矯正治療によって良い咬み合わせをつくることにより、次のような効果が期待できます。
- 食べ物を良く咬めるようになり、消化も良くなる
- 呼吸や発音がしやすくなる
- 歯みがきがしやすくなり虫歯や歯周病を予防しやすくなる
- 機能的な咬み合わせにより歯周組織の損傷を防止する
- あごの正常な成長を促す
- 口元や顔の印象が変わり、笑顔に自信がもてる
当クリニックでは、豊富な経験と知識に基づいた最先端の治療を行っております。精密な検査、適確な診断により、唇側矯正、舌側矯正、インプラント矯正、マウスピース矯正、床矯正、総合歯科クリニックならではの補綴を併用した包括的な矯正など、患者さまのご希望に沿った適切な治療法を選択し、より効率の良い治療をご提供いたします。
矯正治療の分類と治療期間について
部分矯正治療
1 ~数本の歯の移動を行います。
(治療期間:約 6 ヶ月~ 1 年位)
前期(準備)矯正治療(小児の治療 4 歳から 12 歳くらいまで)
永久歯を並べる前準備として、乳歯列から混合歯列期に不正咬合の原因の改善やあごの骨の成長誘導を行い、永久歯が正常に生え変われる環境作りをします。使用する装置は主に取り外し可能なものになります。
(治療期間:治療開始から永久歯が生えそろうまで)
前期矯正治療後の本格的矯正治療
前期(準備)矯正治療で不正咬合の原因の改善やあごの骨のバランスを整えた後、永久歯 1 本 1 本をワイヤーを使って動かし、より機能的かつ審美的な永久歯列を完成させます。
(治療期間: 6 ヶ月~ 1 年半)
本格的矯正治療(成人の治療)
歯列全体に対しの治療を行います。ワイヤーを使って 1 本 1 本の歯を移動し、機能的かつ審美的要素を兼ね備えた咬みあわせをつくります。
(治療期間: 1 年半~ 2 年半)
矯正治療の開始時期について
小児からの矯正
歯列矯正は何歳になってからでも行うことができますが、子供の時期から始めることによって、より理想的な治療を行うことが出来る場合があります。
その理由は、大人は顎の成長が終わってしまっているので、顎の骨の中で歯を動かすだけの治療になりますが、子供は顎が成長段階にあるので、その成長を利用することによって上顎と下顎の大きさや前後的な位置のバランス、歯の大きさに対する顎の大きさのバランスなどをある程度コントロールすることができるからです。
顎の骨の適応能力が旺盛な時期である 6 歳~ 10 歳位までの間に行うと特に有効で、顔や顎の成長が終了してからでは治らないような場合が多くあります。 歯並びの治療が必要なのかを判断するにはより専門的な知識が必要になるため、学校検診などでは見過ごされてしまう場合が多くあります。
お子さまが小学校に入学されたら( 7 歳ごろまでには)一度矯正歯科医に歯並びのチェックを受けることが望まれます。
子供のうちに矯正治療を開始しておきたいケース
以下の場合には、小児矯正を行うことによって特に大きな治療効果が期待できます。
- アゴが左右どちらかにずれている場合
- 受け口 ( 下の前歯が上の前歯より前に出ている )
- 極度の出っ歯
- 開咬 ( 噛んだときに上と下の前歯がかみ合わず隙間がある
- 歯の重なりやでこぼこが強い場合
- 歯の生えてきた位置が悪く、後から生えてくる歯に悪影響を及ぼす可能性がある場合
大人の場合
患者様が治したいと思ったときが一番良い時期だと考えます。学校やお仕事、ご家庭などの状況により、約 2 ~ 3 年、 1 ヶ月に 1 回の通院が可能な時期であればいつでも治療可能です。
矯正治療のシステム(ながれ)について
矯正治療の期間は、その症状などによって個人差がありますが、ブラケット装置をつけてから 2 年~ 3 年が一般的です。
ただ、状態によって 3 年以上かかる人もいらっしゃいます。
また、治療の方向性 ( 方針・治療計画 ) によっても、その期間は大きく異なります。
当院では、適切な開始時期・予想される治療方法・治療期間・治療費などについて、事前にご説明します。ご不明なことは、何でもご相談ください。
歯列や咬み合わせを診査して、矯正治療が必要かどうか、適切な治療開始時期はいつか、予想される治療方法や治療期間、治療費についてご説明します。 |
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診断や治療計画の立案に必要な検査をします。虫歯や歯周病の診査、顔や口のレントゲン写真、歯型などを採取します。 |
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検査資料の分析結果をもとにした治療方針(使用する装置、期間、費用など)の詳細をご説明し、ご理解・ご納得していただいた後に治療を開始します。 |
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虫歯や歯周病の治療が必要な場合にはまずその処置をします。 |
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矯正装置を装着し歯の移動を開始します。 |
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矯正治療によって動かした歯は元の位置に戻ろうとします。 |
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1 ~ 2 年間の保定観察後、歯並びが安定していることを確認し、治療終了となります。 |
悪い歯並びによる機能障害
矯正歯科治療は悪い咬み合わせ、あるいは問題のある咬み合わせを治療するだけでなく、口の周りの機能や、より美しい口元に改善する歯科の一専門分野です。
▼歯並びが悪いと、次のようなことが起こります。
- 食べ物をうまく咬めない。(咀嚼機能障害)
- 歯が磨きにくいため虫歯になりやすく口臭の原因にもなる。
- 歯周病になりやすい。
- 言葉がはっきりしない。(発音障害)
- 外見の悪さから劣等感におちいる。(心理的障害)
これらの障害で見逃してはならないのが心理的障害です。他人と違う咬み合わせや、外見の悪さを気にして、心理的に劣等感を持ってしまう方も少なくありません。きれいな歯並びは口元を美しくするばかりではなく、うまく咬め、うまく話せるようにし、虫歯や歯周病を防ぐために、ひいては心理的発達をもたらすために必要なことです。
小児矯正
子供の矯正は、顎の骨が成長する 6 歳~ 14 歳までの間に行うと有効だと言われています。
この時期に矯正を行うことによって上顎と下顎の大きさのバランス、歯と顎の大きさのバランスをある程度コントロールすることができます。
- 顎が左右どちらかにずれている場合
- 受け口(下顎が上顎より前に出ている)
- 極度の出っ歯
- 開咬(咬んだときに前歯が全く咬まない)
- 歯の生えてきた位置が悪く、後から生えてくる歯に悪影響を及ぼす可能性がある場合
症例
▼矯正開始時 :歯並びが悪く、プラークコントロールが不良で虫歯にもなりやすい状態。 |
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▼矯正装置装着中 :矯正治療と並行してプラークコントロールに気を付けます。 |
矯正終了時 : 審美的にも機能的にも改善しています。 |